朔の里


― 弓張り月 ―

 高耶を拾った前日のような風の夜、高耶はいつものように御帳台へ潜り込み、けれどいつもと違い直江の懐に潜り込んできた。直江の肌に高耶の体温が伝わってくる。
「な、おえ――……」
 最近覚えた直江の名を呟きつつ、懐に潜り込んでくる高耶に、都を出てから色事から離れていた直江が煽られないはずがない。
 妖と言えども、形は人と変わらず、スラリとした姿態は欲を誘う。そのうえ、着物を着ることを厭う高耶は、薄物一枚で生活をしている。人のように歩けば、それでも良かっただろうが、高耶は四つん這いで屋敷中を歩き回る。その姿勢では肌が見え隠れし、裸でいるより余程扇情的であった。
 そこに、これだ。襲ってくださいといっているようなものだろう。
 据え膳食わぬは男の恥。都を厭うて鄙へ来た直江も、所詮は都人。考え方は都の人々と同じで、色への禁忌は薄い。
「ひゃ!?」
 いきなりの感触に驚いたのだろう。高耶が飛び上がる。
 直江は高耶の裾を割り、形のいい尻をに手を添え硬い窄まりを指で刺激したのだ。当然違和感に高耶は嫌がる。だが、直江は高耶の抵抗を押さえ込み、丹念に刺激を加える。
 初めは逃げ腰だった高耶も、時間が経つと、じっくりと与えられ続ける刺激に慣れたのか、喉を鳴らし始めた。それに気をよくした直江は、ゆっくりと根気よく刺激しつつ、少し綻んできた中に、人差し指を潜り込ませてみる。
 そうして、ゆっくり出し入れしたり、入り口付近を刺激していくと、高耶の体から力が抜けていく。その上、直江の腰辺りでは緩く起ち上がっているものが雫を零していた。それによって、高耶の体が快感を感じ始めていることを知る。
 しばらく、高耶の反応を楽しみつつ、中を弄っていた直江だったが、高耶の変化に違和感を持つ。喉を鳴らし、直江に擦り寄っていた高耶が、なぜか落ち着きなく視線を彷徨わせ出したのだ。

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